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澱の中の二人 1-5

 付き合いの長い俺でなければ見逃していたであろう、ほんのわずかな変化ではあったが、伊織の表情には明らかな動揺の色が見て取れた。どんな命令だろうと顔色一つ変えずにやってのける伊織が、珍しく血の気を失い逡巡しているのである。どうやら相当に堪える命令だったようだ。

 ともあれ、どれほど酷な命令であろうと、彼女には従う以外の選択肢など存在しないに等しい。
 もし逆らえばどのような目に遭わされるか、伊織はその身をもって思い知らされている。今さら抵抗を考えるほどこの女は馬鹿ではないし、それだけの気概はもはや残ってはいないだろう。

 俺はただ、黙って伊織を見下ろす。
 重ねて命ずることも、脅しを掛けることもせず、揺れ動く伊織の表情を楽しみながら、無言の圧力をかける。
 何と甘美な時だろうか。
 勝利を目前にした司令官のような心境で、俺は敵の屈服を待つ。

 伊織はしばしの間、と言っても時間にして十秒足らずではあったが、身動きひとつせずに固まっていた。
 やがて意を決したのか、伊織は小さく息を吐き出すと、微かに震える指先で白濁の塊に触れる。
 指の腹でねちょりと押し潰し、青白い肌に生臭い粘液を広げていく。ドロドロの種汁を薄く伸ばし、クリームを塗りたくるようにして、顔中にべっとりと広げていくのだ。 眼鏡に付着した塊も丁寧に掬いとり、ぺたぺたと顔に塗りつける。

 ほどなくして、汚らしい粘液は顔全体に行き届き、見るも無惨なコーティングが出来上がった。乾いた精液は肌にべっとりと張り付き、てらてらと鈍い光沢を放っている。遠目で見ればさほど目立たないので、このまま街を歩かせるのもいいかもしれない。

 俺は冷笑を浮かべ、伊織の顔を覗き込んだ。

「よくできたな」

 少し顔を近づけただけで、精液独特の鼻をつく臭みが猛烈に漂ってくる。
 離れている俺にさえ感じられるのだ、直接肌に塗りたくっている伊織はいかほどのものだろうか。

 一方、伊織は俺が覗き込んだ途端に目を伏せ、軽く顔を背ける。一瞬、ちらりと見えた瞳は涙に潤んでいるようで、俺は思わず忍び笑いを漏らしてしまった。

 恥辱に塗れながらも、決して弱みを見せようとせず、気丈に振る舞い続ける少女。
 これほど犯しがいのある女もそうはいるまい。

「立て。褒美をくれてやる」

 俺は立ち上がり、次なる淫劇の幕開けを告げる。
 精液塗れの哀れな少女は、再び能面のように表情を固め、ただ俯くのみであった。

テーマ : 官能小説
ジャンル : アダルト

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